辰巳用水探訪ウェブサイト

下流金沢市街地中心部を洪水から守るとともに、地域の歴史と伝統を尊重したダムです。

辰巳ダム管理棟に併設された展望デッキからは東岩取入口や隧道の横穴を眺望することができ、案内板が設置されています。

辰巳用水の取入口は寛永9（1632）年に雉の取入口が完成後、移設により現在の東岩取入口になりました。

横穴が20～30m間隔で開口されており、工期短縮のための工法として用いられたものといわれています。

延長は全部で約4km、大きさは幅約2m、高さ約2.5mの素掘りの隧道で、往時の姿を残している箇所が多いです。

東岩取入口から旧古河口までの区間は良好な状態が保たれており、ノミ跡も鮮明に見ることができます。

古河口旧取入口は新辰巳発電所により取入口部は失われていますが、吐き水門（放水門）の構造が残り、定期的に管理されています。

辰巳用水築造当初の取入口で、鶏（にわとり）取入口とも呼ばれています。後にさらに上流の東岩へと移されました。

過去に天井木（天井に使われる木）で隧道天端（一番高い部分）を補強していたと思われる跡が壁面に残っています。

希望者に隧道内部を公開しています。近くの小学校が総合学習として毎年隧道内部を見学し、辰巳用水の歴史を学んでいるところです。

毎年開催される隧道見学会で通る区間で、良好な隧道の状況を見ることができます。

毎年開催される隧道見学会で通る区間で、見学会では良好な隧道の状況を見ることができます。

例年開催される辰巳用水隧道見学会の際に出入り口として利用される横穴から隧道内を覗き見ることができます。

「しょうじょうがたき」と呼ばれる滝が、辰巳用水隧道上の沢を流れ落ちています。その脇に清浄ヶ滝水門（放水門）があります。

昔は石垣付近を犀川が流れ、崖を侵食して辰巳用水を脅かしていたようで、石垣で斜面を補強し辰巳用水を守っていると考えられます。

「天保十」という彫込が壁面に残されているあたりの一帯は地盤が緩く、山肌沿いに隧道を掘ることができなかったため、大きく迂回して掘り進められた区間です。

彦兵衛穴と呼ばれる横穴付近の隧道。比較的良好な状態です。

この一帯は大きく迂回して掘り進められた区間で、迷いながら掘り進んだと思われる隧道跡が残されています。

辰巳町地内の横穴で、現在でも隧道内の点検管理の折に出入口として使用されています。

辰巳町日吉神社付近の隧道は、所々に切石積みなどで補修されている区間があります。

この一帯は地盤が比較的良好で、隧道も健全な状態で残されています。

この一帯は比較的良好な状態で隧道が残されています。

比較的良好な状態で残されている区間ですが、所々で側壁部分に流水による洗堀がみられます。

この一帯は隧道外側に管理用通路跡が残されている区間です。（注意：隧道内へは許可無く立ち入ることはできません。また極めて危険です。）

比較的良好な状態の素掘り隧道の様子を見ることができます。

隧道の途中には何箇所か開水路の区間があります。ここはその開水路の手前。自然光が差し込んでいます。

開水路から隧道への入口。隧道が切石積みで修復されているのがよく分かります。

この界隈は安定した状態で素掘り隧道が残されています。

末町の犀川浄水場付近にある兼六園への専用管入口で、開水路を流れる辰巳用水とは別に専用管で水が兼六園まで運ばれます。

犀川浄水場の下流。末町地内の住宅街の横をひっそりと流れています。

辰巳用水隧道が大道割の谷を大きく迂回する場所に大道割放水門があります。かつての谷の一部は埋め立てられ、今は緑化木センターがあります。

藩政期に加賀藩が設置した黒色火薬製造施設で、黒色火薬の製造には辰巳用水の水流が動力源として利用されていました。

えんしょう坂下、塩硝蔵跡付近に国史跡辰巳用水と附土清水塩硝蔵跡の案内説明板と、遊歩道周辺の主な動物を紹介する案内板が設置されています。

かつて五箇山方面から火薬の原料を塩硝蔵まで運ぶ際に通っていたことが坂道の由来となっています。

辰巳用水遊歩道周辺に生息する主な動物を紹介。

辰巳用水遊歩道周辺の主な植物について紹介。

自然豊かな辰巳用水と遊歩道。昔は馬で管理をしていたそうです。

辰巳用水遊歩道周辺の主な植物について紹介しています。

辰巳用水と並走する遊歩道は約2kmで、四季折々の自然豊かな散歩道として市民に親しまれています。

自然豊かな辰巳用水と遊歩道。

辰巳用水遊歩道の錦町口からしばらく上流側へ行くと全体案内板があります。

疏水百選に選定されたことを記念して、きんしん環境財団が寄贈されました。

かつて天徳院境内地沿いを流れていた辰巳用水の流路は、今も変わらず藩政時代と同じ位置を流れています。

国史跡辰巳用水の石碑とともに案内説明板が金沢くらしの博物館前の用水沿いに設置されています。

金沢医療センターから北陸学院一帯は、かつて加賀八家の一つであった奥村家の屋敷地で、今も屋敷土塀が残されており、土塀沿いを流れる辰巳用水は当時の風情を偲ばせています。

兼六園専用管の位置を示す管理蓋が道路上の所々に設置されています。

兼六園専用管から運ばれた用水の水が兼六園入口で顔を出します。ここで流れを遅くすることで、砂が重さによって沈み、水と分離されます。

辰巳用水は兼六園の見どころである曲水には欠かせません。

辰巳用水の建設技術で最も関心が高く、注目されている逆サイフォンの吞口（取入口）と二条の石管。吞口は過去変遷しています。

霞が池のことじ灯籠脇の吞口から続く石管は、寄観亭裏の大きなため升に繋がっています。これより先は逆サイフォンの原理により石川門からお城の中へと水が注がれていました。

逆サイフォンの原理により、寄観亭裏の大きなため升から、石管一条が寄観亭下をくぐり、石川門へ向かっていました。

兼六園横の金沢神社境内に板屋神社の遥拝所が設けられています。

このような形で置かれている石管が所々にあります。

逆サイフォンの石管が通っていた現在の石川橋界隈。藩政時代は土橋だった石川橋の土手の中を通って、石管は石川門へと向かっていました。

現在の兼六園から逆サイフォンの原理で送水されていた辰巳用水は現在の石川橋が土橋であった頃、その土堤の中を通り石川門升形を抜け城内へ導かれていました。

金沢城公園内で展示されている石管。

説明板の下方には、土木学会選奨土木遺産であることの証の一つとして、銘板が設置されています。

江戸期には、辰巳用水は堀の水として重要な役割を担っていました。

加賀藩二代目藩主利長正室の玉泉院ゆかりの庭園で、三代藩主利常による作庭から廃藩まで、歴代藩主が愛でた庭園です。

明治40（1907）年に埋め立てられたいもり堀は平成22（2010）年に復元、現在の姿になりました。

歴史博物館の水のモニュメントとして辰巳用水の石管が活かされています。冬期間は凍害防止のため、石管は「こも(わらで編んだむしろ)」で巻かれ保護されています。

金沢城下の防御ラインとして築かれた西外惣構から成る防御施設）は、現在の21世紀美術館沿いから市役所裏の断崖沿いに位置しています。

かつて兼六園から続く東外惣構の堀は、八坂横を滝となって流れ落ちていたという。地形を読み解き築かれた惣構。技術の高さと歴史の流れが感じられます。

２代藩主の頃に築かれた金沢城下の防衛ライン「東内惣構」は、今は堀跡の水路に、兼六園から玉泉園に分け与えられたと伝わる辰巳用水が流れています。

浅野川の河岸段丘沿いに設けられた東内惣構は、現在では宅地の裏側や道路下の暗きょとなっており、人目につきにくくなっています。

現在の兼六園小立野口近くの八坂沿いに端を発した東外惣構は、その後源太郎川と合流し、加賀藩以前に成立したとされる尾山八町の一つ材木町に沿って現在も流れ下っています。

八坂沿いに端を発した東外惣構は、その後源太郎川と合流し、最後は浅野川大橋の直上流側で浅野川に注いでいます。

城下町金沢周遊バスの橋場町バス停前に、かつて東内惣構が築かれていた所が一部復元整備されています。

かつて東内惣構が築かれていた所を一部復元整備し、まちかどの休憩ポイントして公開されています。堀跡の水路には兼六園の落水が流れています。

東内惣構の堀跡水路の吐き口が、浅野川大橋下流側の袂にあります。伝統的建造物群保存地区の主計町茶屋街の入口に位置しています。

旧金谷出丸あたりから続いていた西内惣構の堀跡の水路は、近江町市場を過ぎたところで一部途切れています。緑水苑内ではかつての惣構が一部復元されています。

かつての西内惣構の土居跡に石管が展示されています。

尾山神社境内に置かれた石管で、大変わかりやすい場所に設置されています。

兼六園落水などが流れる西内惣構の堀跡水路が、近江町市場内を通路下の暗渠（道路下に埋設してあって、水面が見えないように、ふたがしてある通水路）となって通っています。

金沢城下の防衛ラインとして築かれた惣構。北前船寄港地であった現在の金石へ通じる街道と惣構の交わる箇所に、惣構升形の一部が復元されています。

藩政時代、金沢城下の防衛ラインとして築かれた西外惣構が位置し、今も堀跡の水路には辰巳用水の水が流れています。

かつて金沢城に水を送るための仕掛け「逆サイフォン」の管路として用いられていた木管が、石引１～４丁目地内の道路改良工事中に辰巳用水路底下から発見されました。